アイネク・・・ふたたび

 12日のブログに、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」が演奏者の間では「アイネク」の俗称(愛称)で呼ばれていることを書いた。私がよく知らなかっただけで、業界用語として定着しているなら、それに異を唱えるつもりはまったくないし、ヴァイオリン奏者でいらっしゃる坂本真理先生が、コンサートの演奏曲候補として、この曲を「アイネク」の語でご提案くださったのは、私を音楽仲間として認めてくださったのかなぁ~と、うれしく思う。

 

 私も曲名の略名(俗称)をしばしば使う。でも、「アイネク」が「クライネ」の「ク」まででストップしているのは、ドイツ語の文法的に気持ち悪いと感じるだけでなく、日本語的にもすわりが悪いように思う。

 

・メンコン:メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルト

・モツレク:モーツァルトの《レクイエム》

・べト7(シチ):ベートーヴェンの交響曲第

・ドヴォ8(ハチ):ドヴォルザークの交響曲第

・ブラ1(イチ):ブラームスの交響曲第

・タコ7(シチ):ショスタコーヴィッチの交響曲第

・春祭(ハルサイ):ストラヴィンスキーの《典》

・愛妙(アイミョウ):ドニゼッティのオペラ《薬》

・ヘングレ:フンパーディンクのオペラ《ヘンゼルとグレーテル》

 

 そんな調子で、以前、「ヘングレ」を【科研:超域する異界】の共同研究者でグリム・メルヒェンの専門家・大野寿子先生(東洋大学准教授)の前で普通に使ったら、通じなかった。ドイツ文学者の間で「ヘングレ」とは言わないそうである。同じように「モツレク」の語を音楽家以外の前で発したところ、「モツ煮込み」の一種と勘違いされたことがある(まるで笑い話だが)。

 

 他にどんな略語があるかと検索していたら、ウィキペディアの項目で「クラシック音楽の曲名の俗称の一覧」というのを見つけた。あるある…。知らないものがこんなにあったとは…。 

  「モツレク」以下、上に挙げたいくつかの例は、私にとってはすわりが悪くない。なのに、「アイネク」はどうしても落ち着かない。おそらく理由はこうなんだろう。

 

 上記の例は、ご覧の通り、「作曲者+作品名」もしくは「作品タイトル」における前のほうと後ろのほうを“つまみ食い”してくっつけた略称なのである。しかも、日本語の音節数はどれも4つ。それに対し、「アイネク」は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の頭のほうだけを使っている。しかも、それをツジツマ合わせのように4音節のところで止めたから、中途半端な「ク」で終わってしまったのだ。

 

 「アイネク」「アイネク」・・・こんなに書いていたら、なんだかだんだんと違和感が薄れてきたような・・・。検索しすぎて、「アイネクライネ歯科」まで見つけてしまいました。

 

[終わり]

 

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2017年8月4日更新